第10話
kenとsayuは、隣にあるボーリング場に到着した。しかし、あいにく満員で40分ほどの待ちだ。待っている間、二人はくだらない会話で時間を潰すのだった。やっと、自分たちの番が来てレーンに向かう。
ken「プロ級の腕だから・・・」
sayu「私も・・・」
kenの一投目、なんといきなりガーターだ。
ken「練習、練習、」
sayu「うそだー」
kenは、休み明けに加えて先ほどのasamiの一言がやはり少しは気になって集中力に欠けていた。だんだんと、調子を上げては来たが結局1ゲーム目は88しかいかなかった。
ken「調子悪いな、最悪100も行かないよ。自分の誕生日じゃん・・・」
sayu「私なんか22だよ」「ウサチャンピース〜」「ken君、誕生日8月8日なんだ・・・」
ken「残り2ゲームだから、ハンデ180あげるね」「それに負けたら食事ごちそうするよ」
sayu「いいの、私を甘く見て・・・」
ken「自分もこんなもんじゃないしね」
そんなこんなで、2ゲーム目も終了しkenはまたしても100を超える事が出来なかった。かたやsayuもあまり調子が良くなく散々だ。
sayu「やっぱり、難しいね」
ken「本当、今日はさっぱりだね」
sayu「asamiちゃんの事があったから、プロ級だって言っていたのにね」
ken「そんな事ないけど・・・」「ラストが勝負」
kenは、とうとう秘密兵器のジャージに変身するのであった。
sayu「かわいいーー!」
ken「まあね、」
  「気持ちを込めて真っ直ぐ投げるといいよ」
と、sayuにアドバイスをした。すると、3ゲーム目sayuは連続ストライクと一気に調子を上げたのである。
sayu「わーい!やったー!またストライクだよ」
sayuは、無邪気に騒ぐのであった。そして、3ゲーム目も終了し結果はなんとsayuの逆転1ピン差勝ちだった。
sayu「やったー、やったー、ken君に勝ったもんね。食事・食事・・・」
ken「ショック、めっちゃ悔しい」
sayu「でも有難うね」と小声で呟くのであった。
sayuは、てっきりkenがわざと劇的に1ピン差で逆転負けをしたのだと思い込んでいるのだった。kenは、真剣に勝負したというのに・・・。
ken「約束だから、食事ごちそうするよ」
sayuは「うん」とうなずき、いつもの行きつけの店に向かったのである。