第17話
ken「これから、どうするって・・・」
asami「まだ、sayuが待っているかもしれないし、行ってあげな」
asamiは、今日の試合で負けた悲しさから出来ればkenと一緒に居たかったが、sayuの事を思うと本心とは逆の事を言っていた。
ken「でも・・・」
asami「sayuは、ken君の事を必要としているから絶対に待ってるよ。だから、行ってあげて・・・ネ、私からのお願い」
ken「asamiが、そこまで言うならわかったよ。ただ、自分が一番大事なのはasamiだけだから・・・今日の試合遅れて本当にゴメン。次の名古屋は今日の分まで応援するから」
そう言い残し、kenはsayuの待つ渋谷に急ぐのであった。そしてasamiは、kenが出ていき一人になると涙をこらえきれずついに号泣し崩れ落ちた。
kenが、渋谷に着き時計を見るとすでに時間は11時40分になろうとしていた。もう、さすがに待ってはいないだろうと思いながらも待ち合わせの場所へ急ぐ。しかし、sayuは寒さの中kenの事を待っていたのであった。
ken「本当にゴメン・・・。仕事が忙しくてメール見れなかったんだ」
sayu「私こそ急にメールしたから・・・」
ken「どこか、お店に入る」
sayu「私もうだめだよ、電池が切れちゃった。月に帰る時間かな・・・」
sayuは、急に倒れた。あまりの寒さと疲れですでに限界を迎えていたのだ。
kenは、タクシーを止めsayuを家の近くまで送ることにした。sayuは、いまだに震えているではないか、本当に寒かったのであろう。また、タクシーのメーターも深夜割増でどんどんあがっていき目的地に着いた時には料金は7190円になっていた。kenは、こんな大金を持っている訳もなく結局またしてもカードの一括払いで精算し車を降りた。
ken「今日は本当にゴメンネ」
sayu「今日は私が謝るつもりだったのに・・・福井の時はゴメンネ」
  「ken君はこの後どうするの?電車も動いてないし・・・」
ken「さっき、ジョナサンがあったからそこで朝まで時間潰すよ」
sayu「私も行きたい」
ken「体はもう大丈夫なの?」
sayu「30%くらいから・・・でもやっぱりken君ともっと一緒に居たいの」
そうして、二人はジョナサンに行きドリンクバーのみを注文した。いろいろな話で盛り上がっているとあっという間に朝方になっているではないか。二人は、ココアを飲みながら
sayu「これが本当のM女のデビュー曲だね」
ken「何が・・・」
sayu「モーニング・ココア」
ken「本当だ」
二人は、大爆笑した。
sayu「今度は名古屋かな」
ken「うん」
sayu「また、楽しもうね。ウサチャンピ〜ス」
kenは、またしても嬉しい悩みに迷い込むのであった。そう二度と出られない蟻地獄、いやそこの無いブラックホールに吸い込まれたかのように・・・。