第16話
月曜日のフットサル当日、駒沢体育館に向かう準備をしているasamiに一本の電話がかかる。相手はsayuだ。内容は、福井でのライブで気にしてくれた事のお礼と、今日の夜kenにも謝りたいと思いメールで会う約束を入れたと言うことだった。asamiは、sayuに「ファイト!」と最後に一言激励した。しかしその時、ken君はsayuとの約束に行くのかなーと思っている自分にasamiは気づくのであった。とうとう試合開始の時間だ。asamiは、会場を見渡すがやはり、kenの姿はない。asamiは、少しでもkenが来て応援してくれることを期待していた自分にがっかりした。当のkenは、急な仕事で会場に向かうのが遅れていた。途中で、今日はホワイトデーということで、asamiへのお返しとしてクッキーと干し芋の詰め合わせを購入する。(バレンタインデーの時にasamiからチョコを貰ったので、正確にはFCの通販で自分が購入したものですが・・・)kenは急ぐあまり階段で転倒しバッグが壊れた。kenは、何か不吉な予感がし急がないと・・・そう思いとりあえずガムテープで応急処置をして会場に急行した。到着した時には、すでに優勝が決まる最終戦がこれから始まろうとした、ちょうどクライマックスの場面だ。あまりの緊迫した雰囲気の為kenは、asamiに声をかけることすら出来ない。結局その試合は引き分けに終わりトータル1勝2分けでカッタスは優勝を逃したのである。負けが許されないチームにとって重くのしかかる結果に、メンバーはあまりの悔しさに泣き崩れていた。kenは、プレゼントを渡しコートを返してもらう予定だったが到底そんな空気でもなく会場の受付で、渡す予定だった詰め合わせを預けご飯を食べて帰ることにした。
そしてasamiも会場を出ようとした時、受付でkenからのプレゼントがあることに気づく。
asami「この人来たんですか?」
ガードマン「ハイ!」
asami「何時ごろですか」
ガードマン「一時間前かな」
asami「何か言っていませんでした?」
ガードマン「これからご飯食べて帰ろうとぶつぶつ呟いていたけど・・・」
asami「それだけですか?」
そう聞くと一目散でasamiは走り出し近くの店からkenを探すのであった。一時間程たったであろうかついに駅の近くのファミレスでkenを発見した。
asami「探したんだから・・・」
ken「どうしてここにいるの」
asami「ken君こそ、sayuの所に行かなかったの?」
ken「sayuの所って・・・、自分は約束どおりasamiの応援に来たけど仕事で遅れて・・・」
asami「sayuからのメールまだ見てないの?」
ken「忙しかったから、まだネット喫茶行ってないから」
asami「ネット喫茶?携帯持ってないの本当だったの?」
ken「うん」
asami「今日sayu、ken君に謝りたいと渋谷で約束のメール出していたの」
ken「何時に?」
asami「7時」
ken「7時・・・」
店内の時計を見るとすでに11時を過ぎている。
asami「これから、どうするの?」と聞くとその後、kenのとった行動は・・・