第21話
キャラ「犯人は・・・貴方です」
ken「え・・・自分」
メル「ハイ!単なる置忘れですネ」
ken「そんな・・・」
kenは、その一言にショックを受け失意のどん底に落ちた。
そう言えば、たしかに最近物忘れがひどいかもと・・・。
落ち込んだkenは、事務所を後にし横浜中華街を物思いにふけながら歩いていると、
偶然ボイストレーニングで進化中のasamiと鉢合わせた。ちょうど、レッスン終わりで何か食べようと思っていた所であった。

第20話
翌日、kenは朝一番でsayuにキャンセルの電話を入れるのであった。勿論sayuは、ドタキャンに不機嫌な態度を取っていたが、最終的には理由を説明して納得してもらえた。そして、kenはキャラメル探偵事務所に到着した。
ken「名古屋で双眼鏡と目薬がなくなってしまったのですが・・・」
キャラ「そうですか?私たちはもっと大事件の仕事を探していますので・・・」
ken「大事件じゃないですか?」
メル「確かに」
ken「でしたら引き受けてもらえますか?」
キャラ「それは無理です!」
ken「どうしてですか?」
メル「ハイ、すでに解決済みだから・・・」
ken「本当に!さすがですね。犯人は一体誰ですか?」
キャラ「それは・・・」

第19話
kenはライブ会場に到着すると、いつものように受付でasamiへの手紙と名古屋城で購入したキーホルダーを係員に預け入場した。今日は、事前にsayuにasamiの応援をしてもいいと了解を得ていた。と言うのもフットサルの日の出来事があるからだ。sayuは、asamiのおかげでkenが来てくれた事に感謝し、その日kenがフットサルの応援に間に合わなかった事を話したら一日限定でasamiへの応援を認めてくれた。しかし、ライブの翌日に名古屋デートの約束つきだが・・・。でも、kenにとっては何とも嬉しい限りの話ではないか。ライブがスタートすると10列目左側と非常にベストな席で満足のいく時間を過ごすのであった。勿論、sayuからのウサチャンピースは言うまでもなく大フィーバー。その後、大事件に遭遇する。あまりの気分の良さに酔いしれていると、なんと双眼鏡と目薬が何者かによって盗まれているではないか・・・。kenの持ち物は、すべてが年代物ので貴重である。kenは、一瞬にしてブルーになってしまった。急遽、明日のsayuとのデートをキャンセルする事にして横浜にある有名なキャラメル探偵事務所に行くことを即決した。そして、急いで最終の新幹線nozomiに乗り込み横浜に向かうのであった。

第18話
kenの今週の遠征先は名古屋だ。朝7時の新幹線nozomiに乗り込みいざ名古屋へ向かう。新幹線は早いもので9時には名古屋に到着した。ライブまで時間があるので、kenは名古屋城博が行われている名古屋城へ行くことにした。この博覧会の目玉でもある金シャチタッチを行うためだ。やはり、相当の人気で並んでいたが30分程で無事完了する。そして、お土産に何でも願いが叶うペア金シャチキーホルダー(オス・メスセット)を購入したのだった。勿論、asamiへのプレゼントだ。しかし、sayuの分を買わなかったことでkenはここから悪夢が始まるのだった・・・。

第17話
ken「これから、どうするって・・・」
asami「まだ、sayuが待っているかもしれないし、行ってあげな」
asamiは、今日の試合で負けた悲しさから出来ればkenと一緒に居たかったが、sayuの事を思うと本心とは逆の事を言っていた。
ken「でも・・・」
asami「sayuは、ken君の事を必要としているから絶対に待ってるよ。だから、行ってあげて・・・ネ、私からのお願い」
ken「asamiが、そこまで言うならわかったよ。ただ、自分が一番大事なのはasamiだけだから・・・今日の試合遅れて本当にゴメン。次の名古屋は今日の分まで応援するから」
そう言い残し、kenはsayuの待つ渋谷に急ぐのであった。そしてasamiは、kenが出ていき一人になると涙をこらえきれずついに号泣し崩れ落ちた。
kenが、渋谷に着き時計を見るとすでに時間は11時40分になろうとしていた。もう、さすがに待ってはいないだろうと思いながらも待ち合わせの場所へ急ぐ。しかし、sayuは寒さの中kenの事を待っていたのであった。
ken「本当にゴメン・・・。仕事が忙しくてメール見れなかったんだ」
sayu「私こそ急にメールしたから・・・」
ken「どこか、お店に入る」
sayu「私もうだめだよ、電池が切れちゃった。月に帰る時間かな・・・」
sayuは、急に倒れた。あまりの寒さと疲れですでに限界を迎えていたのだ。
kenは、タクシーを止めsayuを家の近くまで送ることにした。sayuは、いまだに震えているではないか、本当に寒かったのであろう。また、タクシーのメーターも深夜割増でどんどんあがっていき目的地に着いた時には料金は7190円になっていた。kenは、こんな大金を持っている訳もなく結局またしてもカードの一括払いで精算し車を降りた。
ken「今日は本当にゴメンネ」
sayu「今日は私が謝るつもりだったのに・・・福井の時はゴメンネ」
  「ken君はこの後どうするの?電車も動いてないし・・・」
ken「さっき、ジョナサンがあったからそこで朝まで時間潰すよ」
sayu「私も行きたい」
ken「体はもう大丈夫なの?」
sayu「30%くらいから・・・でもやっぱりken君ともっと一緒に居たいの」
そうして、二人はジョナサンに行きドリンクバーのみを注文した。いろいろな話で盛り上がっているとあっという間に朝方になっているではないか。二人は、ココアを飲みながら
sayu「これが本当のM女のデビュー曲だね」
ken「何が・・・」
sayu「モーニング・ココア」
ken「本当だ」
二人は、大爆笑した。
sayu「今度は名古屋かな」
ken「うん」
sayu「また、楽しもうね。ウサチャンピ〜ス」
kenは、またしても嬉しい悩みに迷い込むのであった。そう二度と出られない蟻地獄、いやそこの無いブラックホールに吸い込まれたかのように・・・。

第16話
月曜日のフットサル当日、駒沢体育館に向かう準備をしているasamiに一本の電話がかかる。相手はsayuだ。内容は、福井でのライブで気にしてくれた事のお礼と、今日の夜kenにも謝りたいと思いメールで会う約束を入れたと言うことだった。asamiは、sayuに「ファイト!」と最後に一言激励した。しかしその時、ken君はsayuとの約束に行くのかなーと思っている自分にasamiは気づくのであった。とうとう試合開始の時間だ。asamiは、会場を見渡すがやはり、kenの姿はない。asamiは、少しでもkenが来て応援してくれることを期待していた自分にがっかりした。当のkenは、急な仕事で会場に向かうのが遅れていた。途中で、今日はホワイトデーということで、asamiへのお返しとしてクッキーと干し芋の詰め合わせを購入する。(バレンタインデーの時にasamiからチョコを貰ったので、正確にはFCの通販で自分が購入したものですが・・・)kenは急ぐあまり階段で転倒しバッグが壊れた。kenは、何か不吉な予感がし急がないと・・・そう思いとりあえずガムテープで応急処置をして会場に急行した。到着した時には、すでに優勝が決まる最終戦がこれから始まろうとした、ちょうどクライマックスの場面だ。あまりの緊迫した雰囲気の為kenは、asamiに声をかけることすら出来ない。結局その試合は引き分けに終わりトータル1勝2分けでカッタスは優勝を逃したのである。負けが許されないチームにとって重くのしかかる結果に、メンバーはあまりの悔しさに泣き崩れていた。kenは、プレゼントを渡しコートを返してもらう予定だったが到底そんな空気でもなく会場の受付で、渡す予定だった詰め合わせを預けご飯を食べて帰ることにした。
そしてasamiも会場を出ようとした時、受付でkenからのプレゼントがあることに気づく。
asami「この人来たんですか?」
ガードマン「ハイ!」
asami「何時ごろですか」
ガードマン「一時間前かな」
asami「何か言っていませんでした?」
ガードマン「これからご飯食べて帰ろうとぶつぶつ呟いていたけど・・・」
asami「それだけですか?」
そう聞くと一目散でasamiは走り出し近くの店からkenを探すのであった。一時間程たったであろうかついに駅の近くのファミレスでkenを発見した。
asami「探したんだから・・・」
ken「どうしてここにいるの」
asami「ken君こそ、sayuの所に行かなかったの?」
ken「sayuの所って・・・、自分は約束どおりasamiの応援に来たけど仕事で遅れて・・・」
asami「sayuからのメールまだ見てないの?」
ken「忙しかったから、まだネット喫茶行ってないから」
asami「ネット喫茶?携帯持ってないの本当だったの?」
ken「うん」
asami「今日sayu、ken君に謝りたいと渋谷で約束のメール出していたの」
ken「何時に?」
asami「7時」
ken「7時・・・」
店内の時計を見るとすでに11時を過ぎている。
asami「これから、どうするの?」と聞くとその後、kenのとった行動は・・・

第15話
バスを待っているkenの前に現れたのはasamiだった。asamiはアルコールで唄ったセーラー服の衣装のまま大急ぎで、息を切らしながらやって来た。
asami「間に合ってよかった・・・」
ken「どうしたの?」
asami「一つどうしても伝えておきたかったの」
ken「何?」ドキドキしながら聞いた。
asami「sayuの事」
ken「sayuの事か・・・」
asami「ライブが終わって楽屋でsayuに話を聞いたの。そしたら今日の朝空港で、誰かに狙われて事故になりかけ、危ないからken君の事は無視しなさいとマネージャーに言われたと・・・」
ken「何で自分が関係あるの?」
asami「渋谷のデートが目撃されたみたい」
「でも、開演の5秒前まで必死に抵抗していたけど結局権力に負けたと、sayu相当凹んでいたの」「せっかくken君が頑張って私の事応援してくれていたのにと・・・」
ken「そうだったんだ、それをわざわざ言いに来てくれたの」
asami「うん」
kenは、その事を聞きとても心が揺れた。すると、asamiが、「クシュン」とくしゃみをした。よく考えてみればasamiはアンコールの衣装のセーラー服姿だった。
ken「寒くない?」
asami「さっきまでは、ここまで必死に走ってきたから大丈夫だったけどね」
ken「会場から?」
asami「うん、私1500メートル走得意だから・・・でも、去年のスポフェスでは負けちゃったけどね、エヘ(笑)」
ken「これ良かったら・・・」kenは、自分の着ていたコートを差し出した。
asami「大丈夫、こう見えても私北海道出身だし寒いのも慣れているから・・・」
でも、さすがに薄着とあって震えているのが分かる。
ken「月曜日は、カッタスのフットサルの試合もあるから風邪をひいたら大変だよ」
asami「でも、ken君のコートを借りたらsayuに悪いし・・・」
asamiは、なんとも純粋で心が優しいのだろうか。そうこうしている間にkenの乗るバスが入線してきた。バスに乗り込むと窓を開け
ken「月曜日は、カッタスのフットサルの試合asamiだけの応援をしに行くから、頑張って!」と、言いコートをasamiに投げ渡したのである。asamiは、「アリガトウ」と微笑むのであった。そして、運命の試合当日の月曜日を迎えた。