第2話
早いもので、明日からは3月。横浜でのライブから一ヶ月が経とうとしていた。kenは、一週間後から始まるM女の春ツアー初日戸田の公演を楽しみに今日も帰宅した。今日は、月末ともあって仕事も忙しくかなり疲れきっている様子だ。いつものように郵便ポストのチェックを行うと一通の郵便が来ていて宛名には、sayuとだけ書いてあった。kenは、一瞬怪しんだ後封を開けて目を通すと心臓が止まる程驚いた。内容は、私はM女のsayuで一ヶ月前に傘を借りたお礼が言いたくて傘に書かれていた住所と名前の所に手紙を送った事が記されていたのだ。kenは、時間が経つにつれより一層に怪しんだ。確かに一ヶ月前に傘は貸したが、その少女がまさかsayuだったとは到底思えない。恐らく、自分が最近sayuに興味を持ち始めた事に対する知人の悪戯か・・・。手紙の最後には、直接お礼が言いたいということで携帯の番号が書かれていた。kenは、その時今話題の悪徳セールかと確信しつついつものように放置しようと思った瞬間、突然何かに襲われたかのように電話を掛けなくてはという気持ちになったのである。きっと、sayu本人からだという強烈なビームを感じて・・・。するとkenは、急いで近くの公衆電話BOXに走り出したのだ。